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カテゴリー: クラウド・サーバー

Azure 仮想マシンが正式提供になったので Amazon EC2 と比較してみた

2013年4月18日

新しい情報をAzure の日本リージョンが開設されたので AWS と比較してみたにメモしました。(2014/2/27追加)

Microsoft が運営するクラウドサービスWindows Azure で仮想マシン(Virtual Machine 以下VM)の正式提供が始まりました。Azure VM では、Windows Server や Linux Server が提供され、Amazon EC2 からの移行も容易なので価格の比較をしてみました。

サーバー種別

Windows Server

Linux

短期・長期

短期(/時間)

長期(/月)

短期(/時間)

長期(/月)

Azure VM XS

\1.67

\1,246

\1.67

\1,246

Azure VM S

\7.48

\5,564

\4.99

\3,737

EC2 Micro

$0.04(\4.0)

\2,327

$0.027(\2.7)

\1,217

EC2 Small

$0.12(\12.0)

\5,714

$0.088(\8.8)

\3,477

※1ドル=100円とした。EC2のWindows は、EBSが30GB必要になるのでその料金も含めている。

この表を見ると、同じクラスだったら Amazon EC2 より Azure の CPU 性能が上なので、AWS への対抗が明確に表されています。

特に大きい特徴としては、Windows Server の XS の価格が押さえられているということです。要するに、Microsoft としては、初心者が最初に使うサーバーの価格を抑えて Windows Server の利用を増やしたいという意図がはっきりしています。スタートアップ時のサーバー経費は結構負担になるものなので、低価格のレンタルサーバーでは十分でない場合の有力な選択肢となると思います。

日本で Windows Azure を使う場合の欠点は、データセンターが香港にあって少し遅延があるのに対して、AWS の方はデータセンターが東京にあるということです。CDN を利用すれば、東京にエッジサーバーがあるのでかなり改善はできます。

Windows Azure 仮想マシン料金 http://www.windowsazure.com/ja-jp/pricing/details/virtual-machines/
Amazon EC2 料金表 http://aws.amazon.com/jp/ec2/pricing/

「クラウド破産」と IE6

2012年2月2日

Internet Watch の 「KDDIウェブコミュニケーションズのクラウド戦略」という記事をみて気づいた点があったのでメモしました。インタビュアーの「Amazon EC2などのような従量課金サービスは」という質問に、「最初はやる方向で検討していたのですが、「クラウド破産」という言葉もあるように、使いすぎることを心配するネガティブな反応が顧客企業側で強く、やる必要があるのか疑問に思っています。」 という回答です。実際に計算してみればクラウドで破産なんかするわけないことぐらい直ぐにわかるのに、心配してネガティブになる日本の企業はどうなっているんだと思ってしまいました。Amazon EC2 の課金で管理者がコントロールしずらいのは、ユーザーからのアクセスに応じて課金される部分で、具体的に言うと、データ転送量、EBS(簡単にいえば外付け仮想ディスク)へのI/O リクエスト、ロードバランサーのテータ処理量、CloudFront(グローバルなコンテンツ配信サービス)の転送量等です。しかし、いずれも単価は安く、データ転送量で言えば、1GB で 0.201$ だから、1TB で 1万6千円ぐらいです。自分が運用しているサイトだと、1ページビューで転送量の平均が100KB程度なので、1TB の転送量があれば、約1千万ページビューのサービスが提供できます。1千万ページビューがあれば、1万6千円の経費に何の問題もないと思うのですが…。

そこで KDDI Web Communication の CloudCore VPS でデータ転送量の取り扱いがどうなっているか調べてみました。よくある質問に「転送量に制限はありますか?」というのがあり、それへの回答は「データ転送量による課金はありませんが、ネットワークやサーバーに対して過大な負荷がかかるご利用の場合にはご相談させていただく場合がございます。また、緊急を要する場合、データ転送の帯域を制限させていただく場合がございます。制限をかけた場合は、サーバーのご契約者様へ連絡させていただきますのでご了承ください。」となっています。転送量が多くなると追い出されるということのようですが、どの程度の転送量まで許されるのか過大な負荷が明確になっていないというのは問題だと思います。結局のところ、AWS だと管理ができなければ過大な請求がくる場合がないとはいえないけど、CloudCore VPS だと金を請求せずにサーバーを止めてくれるということのようです。自分の感覚ならサーバーを勝手に止められるのは困るから金を払うと言うと思います。

これに関連して思い浮かべたのが、IE6の問題です。このサイトでも IE6 のシェアが 7% あります。IE6からのアクセスは、土曜、日曜、祝日にアクセスが極端に少なくなるという特徴があることから、IE6を依然として使っているのは個人ではなく、企業にあると考えられます。ログをみると有名な企業からのアクセスもあります。そういう企業では、社内システムが IE6  にしか対応していないので、それ以外のブラウザーのインストールを禁止していると思われます。しかし、少し考えれば IE6 にしか対応しないレガシーにシステムがあっても、そのシステムにアクセスする場合だけ IE6 を使って、他のシステムやインターネットでは Chrome や Firefox を使えばいいと思うけど、それさえ禁止しているのでしょうか。The Internet Explorer 6 Countdown のページによると、日本のIE6 のシェアは5.9%で、中国、韓国に次いで世界で3番目です。一方、ヨーロッパや北米では1%程度まで減少しています。

これらの点からみると、日本では「クラウド破産」というようなイメージだけで判断し、長期的な視野に立った投資ができていないという企業が多いという問題点が浮かんできます。

Google Page Speed Service は WebPagetest で効果を測定

2011年7月30日

Googleで、Web ページの読み込みを自動的に高速化できるオンラインサービスである Page Speed Service が利用できるようになっています。Page Speed Service を利用すると、どの程度高速化できるかについては、以前に紹介した WebPagetest を利用して測定することができるようになっています。

このサイトを使ってテストすると、以下の図のようになりました。このサイトでは、Google Page Speed を使って既に高速化を行っているので、効果はないという結果になっています。このサイトも高速化によってかなり早くなったので、高速化の処理をしていなければ、Page Speed Service を利用するとかなりの効果はあると思われます。

image

Page Speed Service は、現時点では限定サービスで無料ですが、将来的には有料になるが競争力のある価格にするそうです。Amazon の CloudFront と同じようにキャッシュサーバを世界に設置して、それぞれの場所で、Web ページをキャッシュし、Amazon にはない自動的に高速化してくれる機能をつけて、それが安価であれば、使ってみたいサービスになると思います。

WebMatrix (IIS Express)で公開サーバーの訂正について

2011年7月2日

WebMatrix (IIS Express)で公開サーバーのメモについて、管理者権限が必要になるな場合が間違っているとの指摘がありましたので訂正しました。ご指摘ありがとうございました。

この訂正作業していて、Windows XP + IIS Express で Webサーバーを構築するのもいいのかなと思うようになっています。Web サーバーは、アクセス数が少なければそれほどサーバーの能力を必要としません。Windows XP の PC であれば、どこにでもころがっていて手軽に使えます。もちろん、アクセス数が多くなれば、Windows Server を利用するようにした方がいいのですが、Windows Server を使う必要があるぐらいまでアクセス数を増加させるには、それなりの時間がかかります。自分自身でも、Windows 7 で自宅サーバーを利用して、いろいろなことを手軽にできたというのはよかったと思っています。現在でも、新しく作成している Web サイトでは自宅サーバーを利用しているし、これからも利用していく予定です。レスポンスの良さという面では自宅サーバーは非常に優れています。

このサイトは、Amazon EC2 の東京リージョンのサーバーを利用するようにしました。レスポンスが少しよくなったと思います。安定した運用をする場合には、自宅サーバーでも結構コストがかかるので、サーバーを借りて手間を省けるようにしています。

海外サーバーは遅い?表示速度を測定してみた

2011年6月27日

海外サーバーは機能面やコスト面で優れていますが、日本で利用する場合には伝送遅延の問題があります。実はこのサイト Amazon EC2 のUS East のサーバーを使っているのですが、Google ウェブマスター ツールの「サイトのパフォーマンス」の結果では、「サイト内のページの平均読み込み時間は 4.2 秒です。 全体の 67% にあたるサイトよりも遅い読み込み時間です。」となっており、読み込み時間をもう少し速くしたいと思っています。そこで、Amazon EC2 の US East リージョンと東京リージョンに、このWeb ページと同じサイトを作成して、表示速度にどれぐらいの差があるか調べてみました。

測定ツールとしては最初にローカルのパソコン用のツールである Google の Speed Tracer を使ってみました。Speed Tracer は、Google Chromeのエクステンションで Dev Channel バージョンにインストールします。Speed Tracer を使うと下の図のように、上部にはグラフで処理の重さが表示されます。また、Network を選択すると、アイコン付きのファイル名が左側に表示されて、右側にそのロードタイムが横棒で表示されます。この図を見ると、どの処理に時間がかかっているかもよくわかります。

image

測定については、/personal-site/ のページを10回測定し、その平均としました。読み取り時間の測定結果は、以下のようになりました。

  • 東京リージョン:1.2秒
  • US East リージョン:1.8秒

次に、サイトの表示スピードを測定することができる Webサイトである WebPagetest.org を利用して読み取り時間を測定してみました。WebPagetest は、もともとは AOL が開発したソフトで、なかなか優れものです。

image

Speed Tracer の場合と同じく、/personal-site/ のページを10回測定しその平均としました。測定地点については約30カ所が選択できますが、US East リージョンに近いデフォルトのダレス(Dulles, VA USA)をまず選択しました。読み取り時間の測定結果は、以下のようになり、US East リージョンが4割以上速いという結果になりました。

  • 東京リージョン:First View 4.2秒 Repeat View 3.0秒
  • US East リージョン:First View 2.5秒 Repeat View 1.7秒

WebPagetest.org では測定地点に東京を選択することができるので、次に東京を選択して測定してみました。測定結果は以下のようになり、今回は東京リージョンが2割速いという結果になりました。

  • 東京リージョン:First View 5.6秒 Repeat View 3.0秒
  • US East リージョン:First View 7.0秒 Repeat View 3.7秒

この結果からみると伝送遅延の問題は確かにあるということです。 Amazon EC2 の場合には、東京リージョンを使うとコスト的には2割ぐらい高くなりますが、レスポンスは2割以上速くなります。結局、処理が重くで表示が単純な場合であれば海外サーバーを利用するのが有利で、一方、画像、CSS、JavaScript のファイル数の多い場合には遅延が大きくなるので国内サーバーを使った方がいいということになります。結論としては、月並みな内容になってしまいました。